処置が看護師に許されている範囲とは?

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看護師はどこまで処置していいの?

看護師はどこまで処置していいの?

看護師として働いている人にとっては特に驚くことではありませんが、意外と看護師が処置できる医療範囲について知らない人もいます。例えば、注射などを看護師が行うことに対して驚く人もいます。どこまでが看護師でどこからが医師のみに許可された処置範囲とするのか、基準は病院によっても異なります。ここでは法律や慣例を元にして考えた、看護師が処置してもよいであろう医療範囲について解説します。

点滴は看護師もして良い?

医師法では医療行為は医師のみが行うと定められており、注射や点滴はこの医師のみが行うことのできる医療行為にあたります。しかし注射に関しては、はっきりせずグレーゾーンになっていた事実もあります。
このグレーゾーンになっていた部分は、2002年には厚生労働省からの通達で静脈注射は看護師の診療補助の範囲内とされた経緯があります。そのため、静脈注射に関しては医師だけではなく看護師もカバーすることのできる医療行為とみなすことができます。しかし、これはあくまでも医師の指示のもとで行えることであり、看護師だけの判断では行うことができません。予防接種に関しては1994年に医師のみが行えるという医療範囲から変更になり、現在では看護師も行うことが可能です。

看護師ができない注射や点滴

このように、少しずつ看護師が医師の指示のもとであれば注射や点滴を行えるような通達が出てきています。しかし、あくまでも医療行為は医師のみに許されていることですので、医師の指示があったとしても処置できないものもあります。
例えば、動脈血採血、動脈ラインの確保、中心静脈カテーテルなどになります。これらは刺入も抜去も行うことはできません。患者さんへのリスクが高いと判断される行為は医師だけが行えるものであり、看護師ができることは補助、介助、準備にとどまります。
手術でも麻酔注射は麻酔科の医師が行うため、看護師が手術室で注射をすることはほとんどありません。また、小児科や精神科の注射も医師が行い、看護師は介助のみという病院も多いようです。

特定行為がスタートし変化した看護師の注射事情

しかし、超高齢社会が予測される2025年に向けて在宅医療の推進を図るために、2015年からは特定の処置であれば医師の指示を待たずとも医療行為を行えるようにする制度がスタートしています。その中には注射に関する内容も含まれていて、2015年の10月からは今まで看護師にはできなかった中心静脈カテーテルの抜去や動脈血の採血などが指定されています。
しかし誰でも行ってよいわけではなく、特定行為をするための特定行為研修を受ける必要があります。看護師歴がおよそ3~5年以上あり、315時間の特定行為研修を受けなくてはいけません。また、それぞれの指定行為には手順書があり、看護師はそれに沿って処置を行う必要があります。

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