小児科からの転職で苦労する理由
小児科の看護師はスキルアップがなかなか難しいといわれています。実際成人病棟などで働いている看護師と比べると経験の差を感じることも少なくないようです。スキルアップを目指し転職してみたものの、小児科から転職した看護師特有の点滴に関する悩みがあります。ここではそんな看護師の悩みを紹介します。
小児科での働き方が影響している
小児科の処置全般は医師が行うことが多いため、新卒で小児科を経験すると看護スキルが身につかないといわれています。小児科のベテラン看護師でも、点滴や導尿などの処置をほとんど行ったことがないという人もいます。つまり、小児科での経験を長年積んでいたとしても、点滴をする機会がなければスキルに関しては点滴をしたことがない新米看護師とほとんど同じとなってしまいます。
逆に小児科で点滴や注射を経験し、スムーズにルート確保ができるようになった看護師にとっては、より針を刺しやすく血管の選定がしやすい成人への点滴は簡単に感じます。
どんな苦労があるのか
小児科から成人病棟へ転職した際に、採血に関しては太い血管などの見やすいもので処置することができますが、点滴はそうはいきません。特に小児科では受け持つことのない高齢者の血管は、蛇行していたり細くなっているなどの特徴があり、より点滴が難しく感じるでしょう。また、成人向けの点滴の針は小児科で使用する針よりも一回り太く、なかなか皮膚にスムーズに入っていかないと苦労を感じる人もいます。
さらに辛さを感じる意見は、「血管の細い子供を処置してきたということは、点滴も注射も上手そう!」「緊張させないようなコミュニケーション技術もありそう!」というような過度な期待を他のスタッフから持たれてしまっているということです。実際には点滴や注射の経験が浅いと説明しても、期待を裏切ってしまい後ろめたさを感じてしまう看護師が多くいます。
自信を持つことが大事
点滴が上手くなるには回数をこなし、経験を積むしかありません。点滴が苦手であることを実直に話し、思い切って一から教えてほしいと伝え、点滴が上手な看護師の処置を見学させてもらうことも必要でしょう。
また、成功イメージを持って処置することも重要です。「また失敗したらどうしよう」「失敗する前に誰かにかわってもらおう」などのマイナスな気持ちや、細かい技術面ばかりに気を取られずに、「私にならできる!」と胸をはって処置してみましょう。