インシデントで1番多いのが「点滴」
医療の現場でのミスは人の命につながることもありますので、医療ミスや医療事故につながらないために細心の注意を払うことは新人であろうがベテランであろうが必須です。ここでは医療現場で起きてしまう重大な事故を防ぐために、インシデントを理解することができます。
インシデントとアクシデント
インシデントは日本語で「偶発事象」と訳され、想像していないようなことや思いがけない理由から生じてしまう事象のことを言います。インシデントは思いがけないことが理由となって起きることですが、だからといって起きてしまっても仕方がないとは絶対に言えません。どんな些細なことでもインシデントが起こり得ないか注意を払う必要があります。インシデントは適切に対処しなければ重大な過失につながってしまいます。
アクシデントは「事故」という意味なので、そのまま病院内での医療事故のことを指します。インシデントを見逃したことによりアクシデントが起こることもあります。インシデントとアクシデントの違いには、インシデントは重大な事故にはつながらなかったものでアクシデントは事故になってしまったことという違いがあります。アクシデントの発生を遡ってインシデントを見つけることで、今後のアクシデントを防ぐことにつなげます。
最大のインシデントは点滴
看護師の最も多いインシデントは点滴と注射にまつわるものですので、特に点滴と注射では細心の注意を持って処置にあたる必要があります。点滴の中でも最も多いインシデントが指示内容や投与量の誤りや、注入速度の間違い、重複投与などがあります。
また、点滴液の取り違えや動脈の輸液ルートと静脈の輸液ルートを間違うなども起こりうるインシデントとして考えられます。経管栄養と点滴ルートのミスによって、経管栄養を輸液のルートに入れてしまうと、患者さんの生死にかかわるような重大なアクシデントにつながります。
看護の現場ではミスを起こす前に気づくことができたり、間違ってしまってもアクシデントにつながらないインシデントレベルで収まることも多いです。しかしそれでも些細なミスから患者さんの容態を急変させてしまうようなレベルのミスにまでつながることもあります。新人看護師は特に事前にミスを防ぐことができるように手順や指示の受け方まで厳しく指導されますが、これはすべてアクシデントにつながらないようにするために必要不可欠なこです。ミスをして怒られるということは、最悪の事態まで及ばないようにするためにあえて厳しく指導しているのだと理解しておきましょう。